春秋戦国時代、中華屈指の名将として現実でも歴史に名を刻む廉頗将軍。
作中でも趙国三大天の一人で天下の大将軍として大きな存在感を放ちます。
その廉頗の側近として登場する輪虎。
比較的登場期間が長いわけではないこのキャラクターですが主人公・信との浅からぬ因縁が輪虎のキャラを深くし、敵ながら読者からの人気も上々です。
キングダムにおいて短くも深い登場となった輪虎についてまとめていきます。
輪虎の初登場は 18巻
輪虎の初登場は廉頗将軍の初登場と同じ単行本18巻の第194話でした。
廉頗将軍が亡命するきっかけとなった戦の回想シーン。
時の趙軍No.2の大将軍であった楽乗との戦いを制した廉頗軍。その中で敵兵から武器を没収する輪虎の姿がありました。これが輪虎の初登場シーンです。
この戦で趙軍を追われた廉頗は魏国へと亡命し、元趙国の大将軍でありながら、魏国の軍を率いて信たち秦軍の前に大きな壁として立ちはだかります。
廉頗の側近として開戦前に秦軍の有能な将を暗殺して回わる輪虎。ここから輪虎が物語の中で濃く描かれていくのです。
当初からかなりの曲者感があり、その最期まで信をはじめとする秦軍の前に立ちはだかる強力な敵キャラとして存在感を放ち続けました。
輪虎はオリジナルキャラクター
史実に輪虎という武将の名前は存在しません。
つまり輪虎はキングダムのオリジナルキャラクターであることが分かります。
作中で輪虎は他の実在した武将キャラ達と比較してもキャラが立っています。
輪虎は主人公・信との関わりが多く、その中で個性的な魅力が発揮されているシーンが多いのがその理由でしょう。
輪虎の魅力を簡単に言えば、類い希な戦闘スキルや独特な思想が挙げられます。
廉頗四天王・輪虎
輪虎は趙国三大天・廉頗の側近として秦・六大将軍や魏火龍七師などと同じ時代の戦場で活躍した武将でした。
ここでは輪虎とはどの様な武将だったのか深掘りしていきます。
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輪虎の強さ
規格外の突破力
輪虎の武力を語る上で欠かせないのが突破力の高さです。
率いる兵と共に敵軍をいとも容易く貫く突破力が最大の特徴です。
その怒涛の突破力には敵兵も驚きを隠せません。
双剣の達人
輪虎が戦いで使う武器は双剣です。
山陽の戦いではこの双剣で剣使いの信と槍使いの王賁を同時に相手しています。
この戦いで各武器の達人級の実力を持つ両者を圧倒した輪虎は双剣の達人だと言えます。
そんな輪虎の双剣ですが、実は主である廉頗から貰った剣でかなり古くなっていました。
廉頗から新しいものを使えと言われた時でも研げばまだ使えると言う程大切にしていた物。
その場面は輪虎が廉頗を慕っているのがよく分かるシーンでした。
王騎将軍に一刀を入れた過去
天下の大将軍であった王騎将軍。
秦・六大将軍の一人として各国を恐怖に陥れました。
趙国三大天はそのライバルとして多くの名勝負を繰り広げています。
当然、三大天の一人であった廉頗の側近・輪虎もその強軍との戦いを何度も経験しています。
そんな英雄級の王騎軍とのある戦いの中で輪虎は鉄壁の守備を誇った敵軍に風穴を開け、王騎将軍に一刀を浴びせるのです。
後に輪虎はその逸話を信に茶化されて不快感をあらわにしていています。
普段あまり感情を乱さない輪虎ですから、その当時の戦いに対して相当な誇りを持っていることが分かります。
輪虎の位は将軍
自身の小隊をつれて敵将校の暗殺行為を行ったり廉頗の側近という立ち位置、さらには見た目も童顔であることもあり輪虎の武将としての位は予想しづらくなっています。
輪虎の武将としての位はどこになるのでしょうか?
この答えは作中で自身が話しています。
『僕はれっきとした将軍だよ。』
本人がそう語った通り、山陽の戦いでも将軍として魏軍を率いて見事な戦果を残しています。
廉頗の飛槍
廉頗の最側近である輪虎は廉頗四天王の1人として活動していました。
『廉頗の飛槍』
これが輪虎の異名であり、戦場では廉頗の必殺の鉞として主である廉頗から絶対的な信頼を寄せる有能な武将でした。
実際に多くの戦場で輪虎の突破力が勝負を決めてきました。
この異名はそれら過去の戦果から必然的に付けられたものでしょう。
輪虎の生い立ち
本編では詳しく明かされることがなかった輪虎の生い立ち。
実は単行本の巻末にあるおまけ漫画で明らかになっています。
廉頗との出会い
戦禍に巻き込まれて戦争孤児となった輪虎。
意識が朦朧とするなか、既に死亡していると知らず妹を守ろうとする姿をたまたま通りかかった廉頗に拾われます。
武将としての天賦の才
それから月日が流れて廉頗四天王の1人である玄峰の下で軍略を習う輪虎の姿が描かれています。
これは単行本の20巻で玄峰が桓騎に討たれた際、輪虎が玄峰との思い出を語っているところでした。
玄峰は廉頗の軍略の師でもある人物ですので、輪虎はかなり良い環境で軍略を学んだと言えます。
桓騎将軍の陣を急襲する際、その危なさにいち早く気付き素早く撤退する様子からも深い軍略の持ち主だということが判断できます。
さらに輪虎は武に関して天賦の才がありました。
小さい頃の輪虎の武の才については単行本58・59巻巻末のおまけ漫画『輪虎物語』に収録されています。
その中で武術や剣術を見るだけで習得し連戦連勝する輪虎の姿が描かれています。
戦いの天才・輪虎の片鱗が垣間見れる物語です。
輪虎は穏やかな性格?
一見すると童顔で穏やかそうな見た目をしている輪虎。
目も細く、表情もあまり変わらないところが一層そのイメージを強くしています。
戦場でもその経験の多さからくる落ち着きは多くのシーンで目立っていました。感情が波立つ人物の印象はありません。
そこから考えると穏やかな性格だと言えるかもしれませんが、輪虎の内側には主である廉頗や戦場に対しての並々ならぬ熱い思いがあります。
それは廉頗に対する忠誠心や過去の戦場での出来事を中傷された時の反応を見れば明らかです。
ですから輪虎の性格はこれだと1つに定義することは出来ません。
『戦場に対する熱い想いを持ち、表面上は穏やか人物。』
輪虎の人物像はその様に表現出来ると思います。
若く見えるが実は…
信が輪虎と出会った当初は輪虎を『ガキ』と呼んでいました。
実際の年齢が判明してからも名前が判明するまで信は輪虎を『おっさんガキ』と言っています。
当時17歳だった信がガキと呼ぶくらいですから自分よりも年下だと感じたのかもしれません。
そのくらい作中で輪虎は童顔であると考えられます。
しかし実際は信と出会った当時で三十代であったことが分かっています。
10代に見える30代男性というのは現代でもなかなか貴重ですが、春秋戦国時代の男性でそれですから輪虎は驚異的な童顔なのでしょう。
輪虎の思想
山陽の戦いで出会った信と輪虎はその戦で何度も相対しています。
その中で輪虎は信に対して自身の武将観を語っています。
天に寵愛される武将
輪虎の武将観は自身の武将としての豊富なキャリアからきています。
どんなに才能があっても天に寵愛されていなければ道半ばで死んで終わる。
『天に寵愛される武将は一握り』
この言葉は廉頗四天王の1人・玄峰の言葉でしたが輪虎も好んで使っています。
輪虎の考えでは廉頗は天に寵愛される武将の1人。
…そして信も深く天に寵愛を受けている。
輪虎の最期のシーン、薄れゆく意識の中で信をそう表現していました。
輪虎の最後
輪虎の最後のシーンはキングダムにおいての名シーンの1つです。
ここでは輪虎の最後を深く掘り下げていきます。
死亡するのは22巻
輪虎が死亡するのは単行本22巻の第231~232話です。
それ以降は回想シーンでの登場となります。
輪虎は作中でかなりインパクトを残したキャラクターですが以外にも登場するのはそれほど長くありません。
単行本の18巻~22巻 第194話~第232話
上記の期間での登場となっています。
信との関係・激闘
二人の出会い
山陽の戦いで信と因縁深い関係となった輪虎。
戦が始まる前に二人は出会います。
本戦の前、輪虎が敵である秦軍の有能な将(千人将)を暗殺していた時でした。
白昼堂々、敵の行軍の中に姿を現した輪虎は標的であった秦将の首を獲り、自身の小隊とともにその場から脱出します。
その途中で飛信隊の側を通過します。
しかし、飛信隊の隊員達は迎撃するどころか輪虎が出す圧力によって動くことすらままなりません。
そのまま素通りさせるかと思われたところで信が輪虎に斬りかかります。
信は輪虎の圧力に怯むことはありませんでしたが、輪虎に体を掴まれて少し離れた所まで連れ去られる形になりました。
輪虎は小隊を先に行かせて信と二人きりになり少し話をします。
それから再び戦うところで飛信隊が助けに駆けつけるのです。
信が輪虎の標的に入っていなかったこともあり、輪虎は信を見逃すことにして、自身はその場から脱出したのでした。
信は輪虎の第一印象をこれまでの敵とは全く別物だと感じます。
一方の輪虎も若くして武将の空気を纏った人物として信をただ者ではないと判断しています。
三度にわたる戦い
この山陽の戦いでは輪虎と信は三度戦っています。
一度目は上で説明した通りで出会った時に軽くやり合った程度でしたが二度目からは本意気の戦いとなります。
二度目の戦いは信・蒙恬・王賁の若手三百将達が輪虎を討つ作戦をたててそれを実行します。
三者共にこの戦限定で千人将に昇格しており軍の規模としては十分なものを備えていました。
蒙恬率いる楽華隊が潰れ役になり輪虎本陣への道を作り、そこを通って信の飛信隊と王賁の玉鳳隊が敵本陣を急襲します。
2対1で始まった戦いでしたが輪虎は難なく二人を捌きます。
程なくして元々深手を負っていた王賁がほぼ戦闘不能となり離脱。
輪虎と信の一騎討ちとなります。
この戦いの前に二人と一度戦っていた輪虎は信よりも王賁の方を厄介だと考えていましたが、実戦で戦った信の実力は以前とは別物になっていました。
信は実戦向きであり、本番に力を出すタイプ。
これが輪虎の分析です。
二人の一騎討ちは輪虎優勢に進みましたが信も戦いの中で己の限界を超え、力を覚醒させて徐々に盛り返します。
結果、死力を尽くした二人の一騎討ちは痛み分けに終ります。
輪虎は信に深手を負わせましたが、信も一瞬の隙をついた攻撃で輪虎の左手の指を落とすのです。
そして最後となる三度目は輪虎にとって最期の戦いとなります。
最後の戦い
信との三度目の戦いは山陽の戦いの最終盤に実現しました。
敵中央軍を突破し秦軍総大将・蒙驁がいる本陣を急襲するため奇策・輪動を使った輪虎率いる魏軍。
その突破力は凄まじく、秦中央軍をあっという間に貫きます。
その勢いは誰にも止められないかと思われたところで飛信隊が現れて見事に勢いを止めました。
飛信隊は予備隊として中央軍の後ろに位置して輪虎の隊を狙っていたのでした。
両軍入り乱れた中で二人の最後の戦いが始まります。
死力を尽くした戦いを繰り広げる両者でしたが馬上の戦いなど、やはり経験の豊富さで戦況を有利に進める輪虎。
死が目の前に常にある信は意識を輪虎に集中して対応していました。
ここで輪虎の意識が一瞬他に向いてしまいます。
この一瞬を信は逃さず致命的な一撃を輪虎に与えるのでした。
通常ならもう立ち上がれない程の深傷を負った輪虎ですが、主・廉頗への強い想いで立ち上がります。
敵本陣を廉頗と共に同時急襲するという約束を果たすため最後の最期まで戦った輪虎ですが、剣で貫かれて最期の戦いを終えました。
輪虎の剣を受け継いだ信
輪虎を討ったその足でピンチとなっている秦軍本陣へと向かった信はそこで廉頗と出会います。
輪虎を討った証として輪虎の双剣を廉頗に見せた信。
戦いを終えた後、廉頗から信へと渡されました。
言葉はなくただ廉頗から剣を投げられただけでしたが、この廉頗の行動は『お前が持っとけってことだろ』と蒙恬が解釈しています。
現在(第717話)のところ、この剣を信が使っているシーンはありませんが信はこの双剣と共に輪虎の想いを受け継いだと言えます。
アニメでの声優は櫻井孝宏さん
アニメ・キングダムで輪虎の声優を務めるのは櫻井孝宏さんです。
1974年6月13日生まれで愛知県出身。
大ブレイクしたアニメ・鬼滅の刃でも冨岡義勇役を務めています。
その他にも数々の役を声優として演じられた方で、声優経験豊富です。
まとめ
輪虎の登場シーンは山陽の戦いのみですから作中で言えば出番が短いキャラです。
しかし信と死闘を繰り広げたことや天下の大将軍・廉頗の側近という立ち位置が物語に濃く存在を残すことになりました。
輪虎が語る武将論は興味深いものがあり、武力・戦略なども魅力的な存在です。
信に討たれた後も作中で存在を描かれていますから、物語上重要なキャラだと言えます。
キングダムは今後も続いていきますが、折に触れて輪虎の発言や行動などを振り返ることで物語の理解度が高くなることでしょう。
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