麃公将軍はキングダムの作中において比較的初期の方に出てきたキャラクターです。
作中では主人公・信の第二の師匠のような存在で、信の成長に大きな影響を与えた人物。
そういった意味では重要な役どころを担う麃公将軍。
そんな麃公の魅力的なキャラクターをまとめていきます。
目次
麃公将軍の初登場シーン
初登場シーンは単行本5巻の第52話。
主人公・信の初陣である蛇甘平原の戦いで秦軍の総大将を務めた戦いでした。
自軍の兵を無駄に死なせる頭がおかしい将軍として登場した麃公。
しかし、戦が進むにつれて本能型の将軍の強さが表に現れていきます。
最終的には敵の総大将・呉慶との一騎討ちを制して蛇甘平原の戦いで勝利を手にしました。
麃公将軍は人気キャラクター
第一回キングダム人気投票で上位を獲得した麃公。
主人公の信が本能型の武将であるため、本能型の極みに立っていた大将軍として麃公は信にとって重要な存在になっています。
後の信の実力に大きな影響を与える存在でしょうから、作中では英雄感があるキャラとして確立されています。
そういうのもあるので麃公はキングダムで人気があると言えるでしょう。
麃公は史実に登場する武将!
麃公は実在した武将です。
韓の国を攻めて三万の首を取った功績があり、将軍にも任命されたことが史記に記されています。
しかし、その他は不明で生い立ちや最期は謎に包まれています。
ですから、本能型だとか戦場で叩き上げの武将というのはキングダムのオリジナル設定だと分かります。
キングダムでは豪胆な大将軍として信にとって重要な役どころの麃公ですが、実際はどのような将軍だったのか興味深いですね。
麃公の性格
『バハハ』という印象的な笑い方からも分かるように豪快な性格をしています。
酒が好きなようで麃公の酒はかなり強いお酒らしく、飲んだ王騎は目をクルクルさせたという逸話もあります。
強者同士で飲む酒は格別なものがあったようです。
戦場で生まれ育った人物らしく少し荒々しい印象がありますが、麃公軍内では多くの兵が麃公を慕っていました。
主人公の信も麃公を慕っている人間の一人です。
この事実から、部下から見ても魅力的な人柄の持ち主だったことが分かります。
麃公の強さの全て
麃公の武力は中華屈指!?
麃公が総大将を務めた蛇甘平原の戦いの最終局面で麃公の部下が『麃公様と一騎討ちでまともに戦える武将は中華にも数える程しかいない』と言っていることから、麃公の武力は中華屈指のものだったと推測出来ます。
実際、武神龐煖に敗れるまで麃公が武力でおされるシーンはありませんでした。
さらに、王騎も麃公の武力は自分と五分と発言しています。
しかしこの発言は間違っていると言わざるを得ません。
麃公は武神・龐煖に圧倒されて討ち取られましたが、王騎は龐煖に敗れたとは言え内容では圧倒していたからです。
いずれにしても麃公の武力は中華全域て見ても上位に位置するのは間違いないでしょう。
本能型の極みに立つ武将
王騎や李牧も認める本能型の大将軍である麃公。
戦いの中で本能と表現されるように感覚で戦局を読み取っていきます。
一般的な軍略とは全く異なった戦術をとり、結果を残していきます。
作中で特にその能力が発揮されたのは合従軍戦の函谷関奥の南道での李牧との戦いの時です。
李牧以外は見破ることが出来ないとされた李牧の奇策『流動』を麃公の本能で打ち破り、本陣へとたどり着くのでした。
結果、李牧が隠していた龐煖によって討たれてしまいますが本能型の武将として極みにあると李牧から敬服されます。
本能型の武将は戦を炎と見る
本能型の武将は戦場を独特な感覚で見ています。
本能型の麃公は戦を燃え盛る一つの大炎と見ます。
一番重要なのは『火付け役』が『火の起こし場所』に出現出来るかどうかだと言います。
そうやって大炎を起こして戦の最終局面を迎えるのです。
直感を元に軍を動かす麃公ですがその直感は細かい観察からきています。
麃公は敵軍の配置・比重、はては兵の表情や目線などを元に戦場・戦況を敏感に感じとっています。
随時変化する戦場を細かく観察し変化を感覚で捉えてそれに対応していくのが麃公の戦い方です。
六大将軍とは違う道を行く麃公
麃公は昭王時代実力的には六大将軍に入っていたと思われる武将でした。
実際に昭王から何度も咸陽に呼ばれています。
しかし麃公はそれを全て無視します。
というのも麃公にとって六将のような華やかな光や夢は必要なく、ただ戦場で戦い勝利してその夜にうまい酒が飲めればそれで満足だったからです。
戦場で生まれ落ちて、そこでそのまま育った麃公。
戦場が家で、戦いが生きることそのものだというのが彼の人生観でした。
麃公軍の強さは王騎軍より上!!
蛇甘平原の戦いの際に王騎将軍は麃公軍の強さは王騎軍よりも少々上だと発言しています。
本当に麃公軍が王騎軍より強いというのは少し議論が残るところですが、麃公軍が強いのは間違いありません。
実際に麃公亡き後に麃公兵の一部が飛信隊に入隊しましたがそこで彼らは飛麃と名付けられた隊で飛信隊の主力となっています。
突破力のある隊として飛信隊で活躍中です。
他にも作中で麃公軍の突破力の凄さは描かれています。
実はその強さの秘密は麃公兵にあります。
麃公自ら先頭に立つことで極限まで昂った全軍の闘気が一丸となって敵に襲いかかります。
この気によって敵が恐怖で身動きがとれなくなるのです。
主を討たれまいと後に続く麃公兵の放つ重圧こそ麃公軍の強さの源だと言えます。
麃公の死
国の危機を敏感に感じとる
合従軍戦の終盤、無事に函谷関を守り抜いた秦軍でしたが合従軍参謀の李牧は戦いの最中、軍を少数ずつ密かに分けて函谷関を迂回する南道ルートに兵を送っていました。
そうしてまんまと守備が手薄な咸陽を落とそうとしたのです。
その作戦、軍が動くわずかな砂塵から異変を素早く察知した麃公は、南道を進む李牧率いる各国の精鋭軍を信と共に追いかけ、足止めをします。
李牧の奇策を見事に破る
李牧軍を後ろから急襲した麃公軍。
しかし李牧はここで奇策『流動』を発動。
麃公軍の勢いは完全に落ちてしまいます。
しかし麃公は本能の目でこの『流動』を打ち破り、小隊を率いて李牧本陣へと到着するのです。
龐煖に討たれる
小隊で李牧本陣に到着するとそこには武神・龐煖が。
李牧が流動の終着地に選んだのは龐煖の下でした。
麃公は龐煖との一騎討ちになりますが、武の力で龐煖に圧倒され左腕を斬り落とされます。
さらには深く斬りつけられて勝負あり。
しかし、ただでは死なない麃公は残った力を振り絞って龐煖の左腕を折ることに成功。
その直後、龐煖に斬り伏せられて絶命しました。
信が受け継いだ麃公の盾と熱い想い
龐煖との一騎討ちの際、麃公の下へと駆けつけようとする信がいました。
麃公の周りには既に味方はなく全滅。
敵の海の中、駆けつける信も小隊を率いるのみ。
この状況で信が自分の下に来るのをよしとしない麃公は信に秦国王都・咸陽へと行くように叫びます。
『前進じゃァ』
ここは信という炎を燃やし尽くす場所ではないと告げて盾を信に向かって放り投げます。
麃公が生きることを諦めたことを悟った信は取り乱し、なおも麃公の下へ向かおうとします。
しかし一緒に来ていた壁に諭され咸陽へと向かうことになったのでした。
麃公は龐煖に斬られる直前に『火を絶やすでないぞォ』と信に言葉を遺しました。
信の第二の師匠
主人公・信の第一の師匠と言えるのは大将軍とはどのようなものなのかを言葉と姿で示した王騎でしょう。
六大将軍で最強と噂された程の実績と戦う姿を見せたこと、そして大将軍とは何かを信に直接言葉で教えたのは王騎でした。
龐煖に敗れた際には矛を信に受け継ぎ、亡くなった後も幾度も話に出てきます。
信の目標とする大将軍であることは異論の余地はないでしょう。
次に、信にとって第二の師匠と言えるのは麃公でしょう。
本能型の武将の極みに立っていたと言われる大将軍で、信の本能型の才能の開花を見抜いた人物です。
信の初陣の総大将を務めるなど何かと縁があり、さらには龐煖に討たれる際には自らの盾を信に託ました。
この様な浅からぬ因縁があるので信の第二の師匠は麃公だと言えるでしょう。
まとめ
麃公は信と縁が深い大将軍であり、信にとって同じ本能型の武将としてお手本となる武将です。
武神・龐煖に討たれてしまい、作中での出番は回想シーンのみとなりましたが、主人公・信の手本となる大将軍として今後も出る可能性はあると思います。
信が大将軍になった暁には、この偉大な大将軍・麃公を再び思い出しましょう。